鬼姫伝説 Ⅱ
「それでいいの、私ともう会えなくなっても、鬼羅はそれでいいっていうの!?」
「お前が生きているなら」
「会えないのよ!」
「わかっている!」
鬼羅が語尾を荒げる。
ビクッと肩を揺らし、震える目で鬼羅を見た。
鬼羅の瞳も揺れていた。
「でも、こうするしかないんだ。お前をあいつに渡したくない。もう、二度と・・・」
「なら、勝ってくれたらいいでしょう。時光なんて、やっつけてよ!」
「勝つ。あいつだけは、許せない。・・・だが、赤く染め上げた手で、お前を抱くことはできない」
「え・・・?」
「あいつに勝つということは、そういう事だ」
人を、殺すという事。
私、たぶん大事なことをわかってなかった。
簡単に勝ってと言っていたけど、そういう事なんだ。
でも。
「そういう結末しかないの?」
「この因果は、もう止められない」
「・・・私、それでも。鬼羅の側にいたい。鬼羅の手は、綺麗よ」