鬼姫伝説 Ⅱ
驚いて声を上げる。
そしてハッとした。
私じゃなくて、私に似たその人の事か・・・。
信じて疑わないこの人の勢いに押されて戸惑ってしまう。
「俺は10年分年を取ったというのに・・・」
「あ、あの時光さん・・・」
「なんだ?」
「い、いえ・・・」
違うんです!!・・・と言いたいけれど。
言ったところで信じてもらえない気がする。
そんなに、似てるのかな?
この人、美しいって言ったわよね?
そんな事、初めて言われた・・・。
「千代に部屋を与えよ」
「は、・・・かしこまりました」
男は不服そうだけど他の人に指示を出していた。
命拾いしたから、よかったのかな。