鬼姫伝説 Ⅱ
「君、名前は?俺は琉鬼」
「琉鬼・・・くん。えと、日高千菜です」
「あ、君も“ちぃちゃん”なんだね」
フッと優しく微笑んだ琉鬼くん。
私で、ごめんね。
ちぃちゃんになりきれなくてごめん。
なんて思ってしまうのはなぜだろう。
彼らが求めているのは私じゃない。
「でも、本当に驚いた。鬼羅の封印も君が?」
「封印?」
「そう、封印されてただろ?俺には触れることもできなかったから・・・」
寂しそうな表情に戻った琉鬼は、まだ眠っている鬼羅に視線を向ける。
友だちだったんだろうか。
あの紙は封印のしるしだったの?
封印。
なんで、封印なんてされなくちゃいけなかったんだろう。
というか、そもそも封印って・・・。