鬼姫伝説 Ⅱ
「10年もかかっちゃった・・・」
ポツリと呟いた声。
10年・・・。
そう言えば、時光も10年がどうとか言っていた。
10年前になにがあったんだろう。
でも、10年って。
琉鬼も鬼羅って彼もどう見たって同い年くらいに見える。
10年も前って言ったら子どもじゃない?
わからない。
時光は年を重ねていた感じがしたから10年前と言ってもきっと今の私くらいだったんじゃないだろうか。
でも、彼は。
琉鬼たちは・・・。
時光と結婚するはずだったと言っていたから年は時光と同じくらいだろうか。
昔、遊んでもらっていたお姉さんとか?
廻る思考はどれもピンと来なくて。
そんな子供を封印する理由にも考えられなくて。
「・・・う・・・」
そんな事を巡らせていたら鬼羅が身じろぎ覚醒していくのに気付いた。
ゆっくりと開かれた瞳。
「おのれ・・・時光・・・」
「え?」
「鬼羅!」
低く重い声色が響く。
今、時光って・・・?
急にあたりの空気が重くなったような気がした。
怖い・・・。
そんな感情が突然わいてきた。