鬼姫伝説 Ⅱ



勢いよく起き上がった彼は、混乱しているのか酷く声を荒げて起き上がった。
その瞳に、憎しみを宿しながら。




起き上った鬼羅と不意に目があった。
その瞬間、現実に戻された瞳がカッと見開く。



「・・・っ」





「千代!!!」






さっきまでの怒りの感情は一瞬で消え、私は彼の腕の中に。
強く抱きしめられ、私は戸惑ってしまう。




「ちょ・・・あ。あの・・・」

「生きていたのか・・・?千代・・・。すまなかった・・・っ」




本当に、さっきまでの彼なんだろうか。
あんなにも、恐ろしく思えたのに。
今はもうこんなに弱々しく感じる。



“千代”・・・彼女がそうさせているの?





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