鬼姫伝説 Ⅱ
「そうか・・・。俺は、千代を護ってやれなかった」
鬼羅がポツリと呟く。
それは、とても悲しそうで。
どうして、彼女の事を話すときだけ彼はあんな・・・。
「そこにいるのは誰だ!」
突然、白羽の矢が刺さりビクッと体を震わせた。
まずい、気づかれた?
でも、どうして・・・。
私、身動き一つとってない。
「胸糞悪い人間の臭いだ・・・。いるのはわかっている」
臭いって・・・。
私そんな臭い!?
ショックを受けている場合ではない。
私は、諦めてゆっくり姿を現した。
「・・・貴様」
「べ、別に・・・、つけてきたわけじゃ・・・」
ほら、もうその恐ろしい目に変わる。