鬼姫伝説 Ⅱ
ドン!!
私は突然誰かにぶつかり前のめりになる。
ぶつかった相手も、倒れこんでしまった。
「あ、大丈夫?ごめんね・・・」
「ううん、私こそ・・・」
助けようと手を伸ばすと、その子は顔をあげ私に手を伸ばそうとする。
「あっ!や、ご、ごめんなさい!!!」
私の顔をはっきりと見た瞬間、顔を青ざめ勢いよく立ち上がった。
そのまま逃げるように去っていく。
「なにあれ、感じ悪っ」
恵が眉を寄せ呟く。
ああいう態度、傷つくんだけどな、私だって・・・。
むだになった差し出した手をひっこめ身体を起こす。
「千菜、気にしちゃだめよ」
「うん・・・ありがとう」