鬼姫伝説 Ⅱ
「別にいいけどさ。でも、その人って有名な人だったの?」
「有名?」
「だって、私こっちに来てからその千代って人に間違われてばっかだから」
時光のところを逃げ出したと思ったら、また同じように間違われたんだもん。
ここら辺に住んでいた人だったんだろうけど。
「でも、千代さんって時光って人の奥さんだったんでしょう?」
「時光、だと!?」
「・・・なんで、そんなことを」
時光という名前を出した瞬間二人の空気が変わった。
え?今度はなに?
「え・・・だって、私の事千代さんに間違えたのって、その時光って殿さまだから」
「あいつは、生きているのか」
鬼羅はキリキリと歯を食いしばり、怒りに震えている、
「時光はなんて?」
「私の事を千代さんだとずっと勘違いしてて・・・。記憶をなくしてるもんだと思ったみたい。それで、千代さんは自分の奥さんって・・・」
「ふざけたことを」
「え、違うの?」