鬼姫伝説 Ⅱ
やっぱり、鬼羅は私を千代さんを重ねて・・・。
似た着物を着せて、千代さんを感じたかったの?
なんでこんなに苦しいんだろう。
鬼羅の事なんて、なんとも思っていないはずなのに。
心の中が忙しない。
なんでこんなにモヤモヤするの。
「千菜ちゃん・・・?」
「あ・・・ごめん・・・」
心配そうな琉鬼くんに、ぎこちなく笑って見せると私は、琉鬼くんの横を通り抜け小屋の中に入った。
そこには、鬼羅の姿があって腰に差してあった刀の手入れをしていた。
「鬼羅・・・」
力なくそう呼ぶけど、鬼羅はピクリともしなくて。
私の声なんて届いていないよう。
私だからいけないの?
私だから、聞いてくれないの?
「ねぇ、鬼羅!」
「黙れ!」