鬼姫伝説 Ⅱ
「・・・おい」
突然、ケガをしていないほうの肩を掴まれ振り向かされる。
その先にいたのは、鬼羅。
「・・・すまなかった。ケガをさせるつもりはなかったんだ」
「・・・ほっといて」
「そんな恰好で、風邪をひく」
私は着物を脱ぎ捨てた下着姿。
キャミソールは着ているけどそれもどんどん血で赤く染まっていく。
「それに、傷の手当てを」
「・・・ほっといてって言ってるでしょ!」
私は鬼羅の手を振りほどき、着物を洗うのを再開させる。
やけになってごしごしと力を入れて血を落としていく。
「血を流しすぎれば、死ぬぞ」
「・・・せに・・・」
「は?」
「私が死んだって、鬼羅はどうでもいいくせに!」
泣き叫ぶ。
ため込まれた想いが溢れだす。