鬼姫伝説 Ⅱ
「私には、きついことしか言ってこないし、拒むし・・・。ずっと消えろって言ってたもんね。嫌いなんでしょ。人間が、・・・私が!」
止まらない。
「あんたが今、心配してるのだって私じゃない!私の中に見てる千代さんでしょ!?千代さんの顔した私がケガをしたから・・・千代さんに似てる私に死んでほしくないから!」
鬼羅が見ているのは、私じゃない。
そんな事、ずっとわかってた。
私だって、別に鬼羅の事なんてどうとも思ってない。
だから平気だって・・・。
それなのに、どうしてこんなに辛いの?
「だからほっといてよ!私は千代さんじゃない!私はっ!・・・でも」
でも・・・。
「みんな、それを望んでないんでしょう?あの時光って人だって、琉鬼くんだって鬼羅だって!みんな、私じゃなくて千代さんを望んでる。ここにいるのが、千代さんだったらよかったのにって、思ってる・・・」
時々見せる、寂しげな顔とか。
私を見つめる瞳とか。
全部がそう言ってるの。