鬼姫伝説 Ⅱ
目が覚めると、辺りは暗く、火の灯りがぼんやりとついているだけ。
もう夜なんだろう。
私、一体どうして・・・。
ゆっくりと体を起こそうとすると肩がズキッと鋭く傷んだ。
「いっ・・・」
痛さに悶絶していると側で人の動く気配。
「寝ていろ、熱が上がる」
「え・・・」
私の肩を抱きそっと横たえてくれる人。
薄暗くて顔があまり見えないけど、この声って・・・。
熱・・・。
そういえば、身体が火照ってる感じがして、頭がガンガンする・・・。
肩は・・・、そうだ、私刀で傷を。
「悪かった」
私を優しく横たえてくれた人がポツリとそう呟く。
「・・・鬼羅?」
きっとそうであろう名を呼べば、小さく「ああ」と聞こえた。
私、気が動転して鬼羅にいろいろぶつけてしまったんだ。
そのことを、気にして・・・?