鬼姫伝説 Ⅱ
次に目が覚めると、辺りは明るくなっていった。
首を横に倒してみると、少し離れたところに壁にもたれて鬼羅が寝ている。
そして、床には琉鬼くんが大の字になって寝ていた。
私は二人を起こさないようにゆっくり起き上がる。
肩は相変わらず痛い。
でも、身体は軽い。
熱はもう下がったみたいだ。
身体には鬼羅の着物がかけられていた。
そういえば、私の着物は血がついて洗ったんだ・・・。
鬼羅の着物を身に纏い、腰ひもを巻いてそっと小屋の外に出ると、小屋の側にあった切り株に腰を掛けた。
鬼が生息していたのは、戦国時代だと言っていた。
だったらここは戦国時代なのかな。
タイムスリップ。
信じられないけど私はそのせいでここにいるんだ。
そして、鬼羅たちに出会った。
それに何の意味があるんだろう。
私の気持ちはいったい・・・。
「なにふらついているんだ」
「あ・・・」
「お前は人間なんだろう。か弱い人間なんだから、ちゃんと治せ」
「うん・・・。ごめん」