鬼姫伝説 Ⅱ
「千菜、そろそろ終いにして帰ってきなさい」
「おばあちゃん・・・」
私を迎えに来てくれたおばあちゃん。
私は集めた落ち葉を袋に詰め口を縛った。
「ねぇ、おばあちゃん。ここに祀られているのって神様じゃなくて女の人なんだよね?」
「そうだよ。戦国時代にいたお姫様さ」
戦国時代を生きた一城のお姫様。
なんでそんな人が祀られているんだろう・・・。
ずっと疑問だった。
「歴史にも残っておらぬ小さな国のお姫様だったんだ。その頃、そこには鬼が生きておった。その姫様は、一人の鬼と恋に落ちたんじゃ」
「鬼・・・?」
鬼なんて、そんなのいるわけないじゃん。
でも、言い伝えられてることなんてたいていそんなもんか・・・。
私は全く信じてなかった。
鬼がいたことなんて。
そんな鬼に、恋をしたお姫様がいたなんて。