鬼姫伝説 Ⅱ
城からの迎え
私の身体も万全に整い、穏やかな日々を送っていた。
鬼羅も、口は悪いけど私の事を受け入れてくれて、琉鬼は相変わらず明るく元気だ。
相変わらず鬼羅は、時折ボーッとしている。
そんな時は決まって千代さんの事を想っているんだろう。
私はなるべく気にしないようにしてきた。
二人の絆は深い。
千代さんは、鬼羅を庇って死んだんだから。
「鬼羅の事、気になる?」
「え?」
「よく鬼羅の事見てるから」
「そ、そんなことないよっ」
琉鬼くんがいたずらっぽい笑顔で尋ねる。
「ただ、本当に千代さんの事が好きだったんだなぁって・・・」
「・・・初めて、心を許せた人間だったからね。俺も、違う意味でちぃちゃんのこと大好きだったよ」
鬼羅にも琉鬼くんにも愛された千代さん。
なんだか、どうしようもなく羨ましく思えた。
心が狭いな、私。