鬼姫伝説 Ⅱ
「千菜ちゃん?大丈夫?顔色がすごく悪い」
「中で休むか」
やめて。
やめて。
優しくなんてしないで。
嬉しいって思っちゃうから。
「優しくしないで!・・・二人の事好きになっちゃうから。大切に想っちゃうから」
「落ち着け。大切に想ってはいけないのか?」
いつになく優しい瞳で私を見る鬼羅。
溢れだした涙がぽろぽろと床に模様をつけていく。
「ダメなの・・・、私が大切に想う人はみんな・・・」
拳をグッと握る。
こんな事言ったら、離れていくよね。
でも、それでいいのかもしれない。
私は一人でいたほうがいいんだ。
「みんな、不幸になるの・・・」