鬼姫伝説 Ⅱ
鬼羅も琉鬼くんも出かけた夕方。
私は一人小屋に残ってる。
何かあったらすぐに戻るからと、絶対に小屋から出るなと言われてる。
なんだかんだと過保護に護ってくれようとする二人に、なんだかうれしいと思う。
チクリ。
胸が痛む。
顔をしかめ胸元に手をやる。
厳密に言えば痛むのは胸じゃない。
左胸の上あたりにある痣が時々疼くように痛むのだ。
鈴のような形をした痣。
それは生まれた時からあったらしい。
両親は、女の子の身体なのにと気に病んでくれていたみたいだった。
場所がブラの上あたりだからキャミソールを着てしまえば見えない場所。
気にはなるけど、あまり気にしないようにしていた。
物心ついたころからあるこの痣。
それはもう私の一部みたいなもの。
こうして時々痛むのが難点だ。