鬼姫伝説 Ⅱ
「ただいまー」
「帰った」
二人が帰ってきたのは日も傾き辺りが薄暗くなったころ。
もう帰ってこないのかと思っていた私はホッと胸をなでおろした。
「おかえり。遅かったね」
「・・・ああ。鬼たちの集会があったんだ」
「集会?ていうか、鬼羅たち以外にも鬼っているんだね。当たり前かもだけど」
会った事ないからなんかピンと来ないけど、鬼羅たちがいるんだからきっと他にもいるんだろう。
でも、皆が皆鬼羅たちみたいに優しいわけじゃないんだよね。
鬼羅だって、結構ギスギスしているし。
「ここらに住んでいるのは俺たちだけだ。後の鬼たちは少し離れた場所で暮らしている」
「そうなの?」
「ここは、鬼の討伐に力を入れていた影正の城の側だからな」
「影正・・・城・・・。殿さま?」
「ちぃちゃんのお父さんだよ。ちぃちゃんは、お姫様だったんだ」
「ええ!?」
お姫様・・・。
私、そんな人に似てるの?
でも、千代さんのお父さんは鬼の討伐に力を入れてたんだ。