鬼姫伝説 Ⅱ
だからこそ、許されない恋だったのかな。
「今も・・・」
「影正はもう死んでるよ。城も、落ちた」
「え・・・?」
「ちぃちゃんが死んですぐ、影正が病に倒れそこを攻められ城は燃やされた」
そんな・・・。
でも、そういう事のあった時代なんだもんね。
天下を取るために同じ日本人同士が争って命を落としていく。
「それを、民はちぃちゃんの呪いだと言って、怒りを鎮めるためにとあの祠を建てたんだ」
あ・・・。
千代さんが眠っていると話していたあの祠。
あれは、そういう意味で建てられたものだったんだ。
酷い・・・。
全て千代さんのせいにして、千代さんを悼んでではなくて、救ってほしくて祠を建てた。
すがるものが欲しかったのかな。
そうでもして、心の救いが欲しかったのかな。