鬼姫伝説 Ⅱ
琉鬼くんが離してくれている間、鬼羅は複雑な表情で聞いていた。
鬼羅も、心穏やかじゃないだろう。
大切な千代さんが悪者みたいにされて、傷ついているはず。
「・・・っ」
ズキン。
まただ・・・。
なんで・・・?
前より痛みが増してる気がする。
鈴形の痕の痣・・・。
私は胸を抑えて蹲る。
「千菜ちゃん?どうしたの?」
チクチクと指すような痛みは増していき、息もままならない。
琉鬼くんの声に返事を返すことすらできなくなっていた。
「千菜!おい、どうした」
そんな私の様子に、ついに鬼羅まで駆け寄る。
私は大丈夫だと片手をあげて知らせようとするけど、言葉にできず苦しい息を吐いた。
しばらくしたら治まるはず・・・。
いつもそうだったもの。
こんなに痛くなったことは初めてだったけれど。