鬼姫伝説 Ⅱ
「千菜ちゃん!」
「千菜!」
す・・・と痛みが引いていく。
あ、ほら・・・。
私は身体を起こし、深く息を吐いた。
「ごめん・・・。大丈夫だから。よくあることなの」
「よくあるって。どこか悪いのか?」
「ここまで痛んだことはなかったんだけどね。私の胸のところに痣があってそれが時々痛むのよ」
胸元を指さしながらそう言った。
痛みが引いてしまえば平気なんだ。
「痣・・・?」
「そう。変なのよ。鈴の形をしているの」
「・・・鈴、だと・・・?」
鬼羅の顔色が変わった。
同じように琉鬼くんの顔色も。
え、どうしたっていうの?
「見せろ!」
鬼羅が乱暴に私の着ている着物に手をかけた。