鬼姫伝説 Ⅱ
「でもだからって、私が千代さんとか・・・そんなの、ありえないんだから。この痣だって、たまたま似たような痣があっただけかもしれないでしょ」
「そりゃ、そうだけど・・・」
呆気にとられている二人の顔。
やっぱり、信じられないよね。
「お前の来ていた変な着物。・・・そうか。未来から来たとすれば、納得がいくな」
「信じてくれるの・・・?」
「・・・ああ。お前だって、俺たち鬼の存在を信じただろう」
鬼羅のまっすぐな瞳が私を射抜く。
ああ、この瞳私好きだ・・・。
好き・・・って、なに考えてんの私!
慌てて顔をそらした。
「生まれ変わりか・・・」
「鬼羅?」
「もしそうなのだとしたら・・・。まだ、救われるのかと思ってな」
「救われる?」
「・・・俺のせいで、千代の命を終わらせてしまったからな。それでお終いは、悲しすぎるだろう」