鬼姫伝説 Ⅱ
ああ、彼は。
こんな時でも、彼女を想う。
「別の生でも、生まれ変われたとしたら・・・よかったのではないかと思ったのだ」
「・・・そうだね」
「ならば、もう。あの祠には、千代はいないのかもしれんな」
いやだ。
いやだいやだ。
違う。
私は、生まれ変わりなんかじゃない。
私は、千代さんなんかじゃない。
「違う・・・っ!そんなの、私は信じない!」
馬鹿げてる。
なにをムキになってるんだろう。
鬼羅たちだって、可能性の話をしているだけなのに。