Ri.Night Ⅱ
「凛音ちゃん、総長達にも見せてあげてよ。彼方さんとか絶対喜ぶと思うよ」
「うーん……」
彼方かぁ……。
リアクションが想像出来るから見せたくないんだけど。
“りっちゃん可愛いー!”
とか言って抱き付いてきそうだし。
うわー、ソレ超面倒臭い。
「ねぇねぇ、申し訳ないんだけど荷物一個持つの手伝ってくれないかな?」
コレを持って階段上がるとか絶対無理だし。
足元に放置さえている荷物に視線を落とせば、我先にと挙手する皆。
「俺が持つ!!」
「いや、俺だ!」
「テメェは退いてろ!」
……いや、荷物持って貰うだけなんだけど。
「凛音ちゃん、アイツ等は放っておいて行こっか」
数少ない荷物を取り合いする皆に呆然としていると、コソッと荷物を持ってくれた冬吾くん。
「え、いいの?」
皆、じゃんけんまでしてるけど。
「いいっていいって。アイツ等待ってたら日が暮れるし」
呆れたように苦笑する冬吾くんに「確かに」と言って、そろり、その場から離れる。
まぁ、直ぐにバレたけど。
「冬吾ずりぃーぞ!!」
「俺にも凛音ちゃんエスコートさせろよ!」
ブーブー文句言う皆をフル無視して階段を上がっていく冬吾くんは、壱さん並みの紳士さでリビングまで連れて行ってくれた。