Ri.Night Ⅱ


「お前、そんなクセェ台詞よく言えるな」



冷やかな目で壱さんを見る煌にムッと眉を顰める。



っていうか、アンタもそれぐらい言ってみろっての!



「俺はホントの事言ってるだけだよ」



煌の冷ややかな視線なんて物ともせずそう言った壱さんはもい王子様以外の何者でもない。


あー、あたし、壱さんにだったら膝抱っこされてもいい。


いや、寧ろして頂きたい!




「オイ、妄想馬鹿女。テメェの妄想全部口に出てんだよ!……ったく、お前のせいでまた総長様の機嫌が悪くなっただろうが」


「え」



しまった。口に出てたのか。


っていうか、総長様の機嫌が悪いって何?



二人掛けソファーに座っているであろう十夜へと目を向けると、煌の言う通り十夜の機嫌が悪くて。



……何でそんなに機嫌が悪いんでしょうか。


ブラックオーラを身に纏う十夜に頬がヒクヒクと引き攣って、サッと壱さんの後ろに隠れた。



「あのぉ……」



そろっと顔を覗かせると。



「行かねぇ」



大魔王様の口から出たのはそんな言葉。



「え?」



主語がなくて意味が分からない。



「祭り、行かねぇ」



……え。



「えぇぇぇぇぇぇ!!」



隠したばかりの身体が再び皆の前へと晒される。



「何で!?この前行くって言ったじゃん!」



あたし、皆で一緒に行けるの楽しみにしてたのに!!

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