Ri.Night Ⅱ
あたしから浴衣を受け取ったの四人は、何だかんだ言いながらも超乗り気で、早々と寝室に着替えに行った。
あとは十夜だけか。
「ねぇ、十夜も着てよー。浴衣着て一緒に歩きたいー。行こーよー」
肩を揺すりながら頷くまで何度も何度もお願いする。
「お願い!」
「………」
「おーねーがーいー」
「……チッ」
オイ、舌打ちしやがったな。
「……はぁ。もういいよ……」
「分かった」
「え!?」
「行く」
「ホント!?」
「あぁ」
「やったー!ありがと十夜!じゃあ早速着替えてきて!じゃないと間に合わないよ!」
撤回される前に行動させないと。
そう思ったあたしは、腕を引っ張って無理矢理立たせて、ルンルン気分で特等席のナナメ後ろにある寝室のドアを開けた。
……って。
「きゃーーーー!!」
「凛音!?」
「りっちゃん!?」
「え?凛音ちゃん?」
ドアを開けた瞬間目に飛び込んできたのは皆の上半身半裸姿で。
忘れてた!此処で着替えてるの忘れてたー!
「……ってか、叫んだら普通はすぐ閉めんだろ!!何ずっと見てんだよ!妄想は頭の中だけにしろ!!」
「……えへ」
バレたか。
ツカツカとやって来た煌に怒鳴られ、乱暴にドアを閉められる。
……チッ、折角見てたのに。
「──馬鹿か。他の男の裸見て喜んでんじゃねーよ」
──大人しく座って待ってろ。
そう言って寝室へと消えていった十夜さん。
むー分かったよ。大人しく待ってますよーだ。
一人になったあたしはとぼとぼとソファーへと向かい、腰を下ろして皆が出てくるのを待つ。