Ri.Night Ⅱ
「ちょっと何で邪魔すんの!?」
折角壱さんがOKしてくれたのに!!
「うっせぇ!お前はあっち行って来い!」
「はぁ?」
そう言った時には身体が後ろへと傾いていて、次の瞬間には誰かに受け止められていた。
……あたし、最近こんなんばっかじゃない?
一人でそう突っ込みながら顔を上げれば。
「──お前も懲りねぇヤツだな」
あたしを受け止めたのは、まさかまさかの十夜で。
「大人しく待ってろって言っただろうが」
サラサラの前髪を掻き上げながらそう言った十夜に、目を真ん丸にして固まってしまったあたし。
は、鼻血出そうなんですけど……。
想像以上の破壊力に本気で鼻血が出そうになって、慌てて鼻を押さえて背を向けた。
くっそー。何その格好良さ。ズルくない?
確か今日はあたしが悩殺する予定じゃなかったっけ?
あー、もう、何処からどう見ても完敗じゃない。
こんなお色気ダダ漏れの人に勝てる訳ないっての。
ふんっだ。良いもんね。
あたしには悩殺するよりされる(?)方が合ってるし!
こうなったらヤケだ。
「十夜!!」
「あ?」
「写真撮らせて!」
堂々と撮ってやる!
「………」
あたしの突然の申し出に、お前何言ってんだ的な顔で見下ろす大魔王十夜様。
「凛音!俺も撮る撮る!」
その申し出に乗っかってきたのは十夜ではなく甚平姿のプリティボーイ陽きゅんで。
「撮ろ撮ろ!」
スマホを片手に駆け寄ってくるところが可愛すぎる。
是非ともそのプリティな姿を我がデジカメちゃんの中へ!!
そんなこんなであたしと陽の撮影会が始まり、陽と写真を撮りまくっていたら「俺も俺も!」と彼方まで加わってきて。
最終的には皆でデジカメを回し合いして写真を撮った。
浮かない顔をしていた十夜もお願い攻撃をしたらすんなり撮ってくれて、何気にツーショットをゲット。
あー、凛音ちゃん幸せすぎる。