Ri.Night Ⅱ


そうだ!

電話は後にして、神社にお願い事しに行こう。


どうせ今電話しても後で電話しても怒られるんだもんね。


よーし、そうと決まれば早速行動開始だ!





鳥居をくぐり抜け、転ばないように小走りで本殿へ向かうと、本殿の前には多くの参拝者が並んでいた。


お賽銭箱近くになると列なんて関係なく、後ろからお賽銭を投げて手を合わせている人もいる。


そんな人達を見て、あたしも急いでるしここで手を合わせようと思い、財布から五円玉と五十円玉を取り出した。


五十円玉を取り出したのは五円と同じで穴が空いてるから。


煌に言ったら馬鹿にされるんだろうなーって思いながら「よっ!」と掛け声を掛けてお金を投げる。



お金を投げちゃいけません。


けど、今日は許して貰してね、と宙を舞う二つのお金を目で追いながら心の中で呟いた時。



「イテッ!!」



あたしが投げたお金が、綺麗な円を描いてコツンと前に居た男の人の後頭部に命中した。



「……うそん」



後頭部を押さえた男の人を見て、凛音ちゃん冷や汗たらり。



どどどどうしよう!

前で参拝していた人の後頭部にお金当てちゃったよ!



「誰だ当てやがったのは!!」


「ひぇ!ごめんなさ──」



……って、え?



「あ”?」


「あーー!!」




後頭部を押さえながら振り返った男を見て思わず絶叫してしまった。


だって、その男は凛音ちゃんの憎き相手、この前逃げ出した“黒烏”の総長、赤髪の男だったから。

< 128 / 348 >

この作品をシェア

pagetop