Ri.Night Ⅱ
「……何だよ」
どうやら男はあたしだと気付いていないらしく、お前何叫んでんだ的な顔であたしを見下ろしていて。
っていうか、何でコイツが此処にいんの!?
コイツに当たるんなら思いっきり投げとくんだった!
……じゃなくて!!
「アンタ、この前はよくも逃げたわね!!」
「は?オイ!ちょっと何だよ!」
前の人を押し退け、男の腕を掴んでそのまま力ずくで雑木林の方へ連れて行く。
人様から見えない位置まで来るとくるりと振り返り、腰に手をあててキッと睨み付けてやった。
「オイ、テメェ誰だよ」
まだ気付いていないのか、怪訝な顔であたしを見下ろす男。
「アンタ、まだあたしが分かんないの?」
「だからさっきからそう言ってんだろうが!」
ぷっちーん。
何であたしが逆ギレされなきゃなんないのよ!
「あたしはこの前アンタと殺り合った鳳皇だよ!!」
「……は?はぁーー!?お前があの時の女!?」
ちょっと!何そのリアクション!腹立つんですけど!
お化けでも見るかのような顔で上から下までジロジロ見てくる男にワナワナと拳が震える。