Ri.Night Ⅱ



『凛音、お前どこに居る?』



優しい声色であたしの名前を呼ぶ十夜にまた涙が溢れて零れ落ちる。



「……十夜、ごめんなさい」


『心配させんじゃねぇよ』


「……ごめんなさい」


『いや、ちゃんと傍に居なかった俺も悪い。今、どこに居る?』


「……っ」



すぐ傍に居るよなんて口が裂けても言えない。



「……さっき綿あめ買ったとこ」


『分かった。そこから離れるなよ』


「うん」



電話を切り、涙を拭って歩き出す。





あたしは、十夜達と会ってもいいの?


一緒に居てもいいの?



今まで同じ事を何度も何度も考えた。



その結論が“鳳皇から離れること”で。


それを実行して、あたしは十夜に連れ戻された。



……ううん。違う。自分から戻った。



そうだ。そうだよ。


覚悟したじゃない。


色々な事を覚悟した。



今回みたいな事があるかもしれないって。

それでもいいから十夜の傍に居たいって。

皆と一緒に居たいって。


そう思って鳳皇に戻る事を決めたのは他の誰でもない自分だ。




だから───



「凛音!!」

「りっちゃん!!」



あたしは、我慢しなきゃいけない。



「陽!彼方!」



皆と一緒に居たいなら、この痛みを乗り越えて行かなきゃいけないんだ。

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