Ri.Night Ⅱ
ごめんなさい。
ごめんなさい十夜。
黙ってて、ごめんなさい。
貴兄の事、どうしても言えないの。
十夜の想いを知っているのに、それでも言えない。
自分勝手で本当にごめん。
獅鷹と関わりがあるとバレた時は、あたしを嫌ってくれてもいい。
騙してたんだろって罵ってくれたらいい。
あたしはそれだけの事をしているから。
だからもう少しだけ。
もう少しだけ一緒にいさせて───。
この時のあたしは知らなかったんだ。
鳳皇と獅鷹の間にあった“出来事”を知った時、どれだけ自分が傷付くのかを。
──真実は、ジワジワとあたしの傍に近寄ってきていた。