Ri.Night Ⅱ
「え?」
それはまさに一瞬の出来事で。
ちょ、よりにもよって何でこんな体勢なの!?
「りっちゃん、抱きついてまでアイス食べたかったんだ?満足したら後で食わせてやるからね」
されるがままになっていたあたしの耳元で、色気たっぷりの声色でそう囁く変態彼方。
っていうか、耳に息吹きかけるなー!
「彼方、はな──」
ガチャ。
「………え」
「あ」
「……あーあ」
「………」
……うそん。
何でこのタイミングで帰ってくるの!?
彼方に応戦しようとした時、タイミング良く十夜と陽と壱さんが登場。
というか、帰ってきた。
「………」
な、何だろう。この気まずい空気。
陽だけじゃなく、壱さんまでも固まっているし。
と、取り敢えず。
「おかえり!!」
右手を上げて挨拶してみた。
「………」
「………」
……や、ヤッバイ。思いっきりはずしてしまった。
続く沈黙に凛音ちゃん冷や汗。
流石に耐えれなくなったあたしは、くるりと後ろを振り返り、彼方の耳元へ顔を近付けた。
「彼方!とり敢えず離して!」
肩を叩いて早く早くと急かす。
これ以上此処に居たくないんだってば!
「……お前、馬鹿だろ」
「ん?」
呆れた顔でそう言った煌に時に首を傾げると、煌は無言で顎を合図を送ってくる。
それに導かれて振り返れば、
「何で!?」
何故か十夜の顔が修羅化としていた。
……何で十夜さんは怒っているのでしょう。