Ri.Night Ⅱ
「と、十夜、取り敢えず上がろう。皆待ってるし」
「そうだぜ十夜!!皆居るんだから!落ち着け!」
十夜の背中を無理矢理押してリビングに上がらせようとしている壱さんと陽。
「彼方!お前もさっさと離せ!!」
「……分かったよ」
陽の一言にチッと舌打ちした彼方は、あたしの身体をゆっくりと離し、背凭れに背中を預けた。
……はぁ、助かった。
身体を締め付けていた腕が無くなり、解放感でいっぱいになったあたしは大きく深呼吸。
「りっちゃん、続きはまた今度な」
何かを企んでいるらしい彼方にぞわりと悪寒がして、直ぐ様二人掛けソファーへと避難した。
二人掛けソファーには煌が座っていて、あたしが近付くとスッと立ち上がって煌の隣に腰を下ろす。
「ちょ……煌?」
「お前はそこに座ってろよ。アイツが来る」
アイツって……。
そう思った時には十夜が隣に腰を下ろしていて。
壱さんと陽は煌と彼方の向かい側のソファーへ。
十夜の後ろに居た傘下の人達は一階のメンバー専用部屋から運ばれてきたソファーへと腰を下ろした。