Ri.Night Ⅱ
皆腰を下ろしたものの誰も話そうとはせず、沈黙。
まぁ、理由は隣の十夜さんから放出されてるブラックオーラのせいなんだけど。
チラリ、初対面の人達へと視線を向けると、一人の男の子と目が合って、ニッコリと満面の笑みを向けられる。
うわー、この人、爽やかイケメン~。
ぶっちゃけあたしの好きなタイプなんですけど。
壱さんと同じ王子様系で、壱さんよりも糖度少なめの爽やか好青年って感じ。
「──凛音」
「はいっ!!」
突然十夜に呼ばれて、緩んでいた頬がピンッと引き締まる。
「……何だ」
「いえ、何でも」
何だろう。この後ろめたい感じ。
ただイケメンにうっとりしてただけなのに。
未だに不機嫌な十夜を横目でチラ見しながら「あはは」と笑って誤魔化す。
「……チッ」
だからその舌打ちが意味分かんないんだってば!
「お前に紹介する」
「うん?」
紹介?
「アイツ等」
そう言って十夜が顎で指したのは、臨時ソファーに座っている傘下の人達で。
十夜の言葉を合図に、ソファーに座っていた一人の男の人が立ち上がった。
「凛音さん、はじめまして。火皇の総長、橘 准矢(タチバナ ジュンヤ)です。よろしくお願いします」
「あ、あたしは東條 凛音って言います!よろしくお願いします!」
丁寧にお辞儀をしてくれる橘さんにとあたしも慌てて立ち上がり、頭を下げる。
「ちょっ!凛音さんは頭下げなくていいですから!頭上げて下さい!!」
「それは駄目です」
「……へ?」