Ri.Night Ⅱ
手を突き出して拒否すれば、橘さんだけじゃなく、他の人達も「え?」と目を真ん丸にして驚いていて。
そんな皆にニッコリ笑って続ける。
「十夜達は橘さんより上の人間かもしれないですけど、あたしは違いますから!」
だから、下げて欲しくなかったら下げないで下さい!
笑みを深めながらそう最後に付け足すと、
「……プッ」
一瞬の沈黙の後、何故か大爆笑が湧き上がった。
「ん?」
あたし何か変な事言ったっけ?
お腹を抱えて笑う傘下さんに反して、鳳皇幹部達は苦笑い。
何か、あたしだけ取り残された気分なんですけど。
「凛音、お前の言う通りにしてやるから大人しくしてろ。それと、コイツ等はお前の事知ってるから自己紹介しなくていい」
え、そうなの?
それならそうと早く言ってよ。
「っていうか、傘下の人達って皆あたしの事知ってるの?」
「あぁ。顔と名前。それと、馬鹿な所も知れ渡ってる」
「は?馬鹿なとこ?何それ!」
小馬鹿にするようにフンッと鼻で笑った煌に直ぐ様詰め寄ったけど、もう少しという所でサッと回避された。
ムカツク!
そのエセ臭い顔グチャグチャにしてやろうか。
「誰がエセ顔だ。お前の顔の方がヤベェだろうが」
聞こえないように言ったつもりなのに、どうやら聞こえていたらしい。
「アンタねぇ……!!」
「ぷっ!」
「……む」
文句を言おうと立ち上がれば、傘下の皆達が笑いを堪えているのが視界に入って、早々と腰を下ろす。