Ri.Night Ⅱ
「陽、おはよー!」
「はよー! 凛音!今日は一限目から体育らしいぜ?バスケだってさ!」
「ホント!?やった!あたしバスケ好き!」
校門で会うなりそう言って来た陽にハイタッチをして「わーい」と両手を上げる。
「凛音は運動なら何でも好きだろ?」
「好き好きー!あっ」
バレない程度に十夜達に手を振って、陽と一緒に教室へと向かった。
「それにしても凛音って不思議だよなー」
「何がー?」
階段を上がりながらしみじみそう言う陽にコテンと首を傾げる。
「だってさ、どんな運動も人並み以上にこなすのに階段だけは駄目だもんなー」
「……うっ。それ、あたしの方が聞きたいよ」
自分でも運動神経はいい方だと思ってる。
けど、何故か階段だけは躓くんだよねー。
多分アレだよ。倉庫の階段が呪われてるんだよ。
あそこ以外は大丈夫だもん。
「うーん……、老化現象じゃね?」
「はぁ!?んな訳ないでしょーが!!」
ニマッと悪戯っ子のような笑みを浮かべて走り出した陽を拳を振り上げて追いかける。
「あー、疲れた!」
「陽のせいでしょ!」
教室に到着した時には二人共バテバテで。
「馬鹿だろ」とクラスメート達にツッコまれたのは言うまでもない。