Ri.Night Ⅱ


「ごめんねー、凛音ちゃん。そのお願いだけは聞けないんだなー」


「やだー!」



一人必死なあたしに、皆は大爆笑。


なんか、遊ばれてる気がするんですけど。


あまりにも皆が大笑いするから、何だかさっきの褒め言葉が嘘に思えてきた。



「凛音ちゃん、笑ってごめんね?でも皆が凛音ちゃんを綺麗だと思ったのは本当だよ?俺等さ、凛音ちゃん達が祭りに行った後に言ってたんだ」


「何を?」


「“凛音ちゃんが鳳凰妃(ホウオウヒ)になってくれたらいいな”って」


「鳳凰妃?」


「うん。凛音ちゃんは“鳳凰妃”って聞いたこと無い?」


「うーん……。無い、と思う」



頭の中をフル回転させて“凰妃”という言葉を探すけど、やっぱり記憶に無い。



「“鳳凰妃”はね“鳳皇”の片割れなんだ」



……片割れ?


え、どういう意味?

“鳳皇”ってチームの名前だよね?



訳が分からなくなって皆を見ると、皆はあたしと冬吾くんの会話を優しい表情で聞いていた。

< 157 / 348 >

この作品をシェア

pagetop