Ri.Night Ⅱ
「ごめんねー、凛音ちゃん。そのお願いだけは聞けないんだなー」
「やだー!」
一人必死なあたしに、皆は大爆笑。
なんか、遊ばれてる気がするんですけど。
あまりにも皆が大笑いするから、何だかさっきの褒め言葉が嘘に思えてきた。
「凛音ちゃん、笑ってごめんね?でも皆が凛音ちゃんを綺麗だと思ったのは本当だよ?俺等さ、凛音ちゃん達が祭りに行った後に言ってたんだ」
「何を?」
「“凛音ちゃんが鳳凰妃(ホウオウヒ)になってくれたらいいな”って」
「鳳凰妃?」
「うん。凛音ちゃんは“鳳凰妃”って聞いたこと無い?」
「うーん……。無い、と思う」
頭の中をフル回転させて“凰妃”という言葉を探すけど、やっぱり記憶に無い。
「“鳳凰妃”はね“鳳皇”の片割れなんだ」
……片割れ?
え、どういう意味?
“鳳皇”ってチームの名前だよね?
訳が分からなくなって皆を見ると、皆はあたしと冬吾くんの会話を優しい表情で聞いていた。