Ri.Night Ⅱ


「凛音ちゃんは“鳳凰”っていう伝説の鳥知ってる?」


「……えーと、確かお札に描かれてる鳥の事だよね?」


「………」

「………」



何、そのオーバーリアクション。

失礼じゃない?あたしだってそれぐらい知ってますから。



一斉に向けられた信じられないと言った表情にムッと口を尖らせる。



「知ってるなら説明しやすいよ。

その伝説の鳥“鳳凰”はね、“鳳皇”とも書けるんだ」


「え、そうなの?」



知らなかった。



「うん。意味は一緒なんだけどね。このチームを作った初代は“ある理由”があって“鳳凰”じゃなくて“鳳皇”っていう漢字にしたんだ」


「へ~」


「その理由は漢字の意味に関係してるんだけど、まずは“鳳凰”の意味を教えるね」


「うん」


「“鳳凰”の“鳳”っていう字は“雄(オス)”の事で、“凰”は“雌(メス)”の事。その雄鳥と雌鳥を合わせて“鳳凰”って言うんだ。───ここまで理解出来た?」



冬吾くんの言葉に「うん」と頷く。



「“鳳皇”の“皇”という字は“王様”の“王”と同等の意味がある。つまり、“鳳皇”を訳すと“雄の王”。

暴走族は基本男が入るでしょ?だから初代は“鳳凰”ではなく“鳳皇”にしたんだって」


……へ~、成る程。そういう意味だったんだ。

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