Ri.Night Ⅱ
「勇介くん!これでどうだー!」
リング中央で勇介くんに新技を仕掛ける。
「り、凛音ちゃん、痛い痛い痛い!けど良いー!」
苦痛で顔が歪んでいるにも関わらず若干嬉しそうな勇介くん。
そんな勇介くんを見て、「羨ましいぞ勇介ー!」、「凛音ちゃん俺にもー!」という声がリング外から聞こえてくる。
勇介くん、痛いのに寝技かけられたいなんて。
そうか。マゾなのか。
それなら仕方ない。
じゃあお言葉に甘えて………。
「じゃあ、これでどうだぁー!」
体勢を変えて思いっきり腕を引っ張れば、
「いってぇー!凛音ちゃんもうちょっと!」
なんと、勇介くんから更に強くしろとのご要望が。
「えぇ!?まだ強く!?勇介くんやるねっ!」
「え?やっ……、凛音ちゃ、違……っていてぇー!!」
もう、勇介くんったらそんなに喜んじゃって。
ふふっと笑いながら引っ張っていると……。
──ゴンッ!
「いだっ!!」
脳天に重い一撃が落ちてきた。
「テメェは何してんだよ」
同時に響いたのは、恐ろしい悪魔の声。
その声にビクッと飛び上がって手の力が抜ける。
「いてっ」
急に離した事によってドスンと仰向けに倒れた勇介くん。
「ゆ、勇介くん……」
顔面蒼白の勇介くんに助けを求めれば、勇介くんはフルフルと頭を振って拒否。
そんなぁ……。