Ri.Night Ⅱ
「黒皇(クロオウ)じゃなくて黒皇(コクオウ)って読むんだよ」
「……む。どっちでも良いじゃん」
「良くねぇよ」
フッと鼻で笑った十夜に頬を膨らませて拗ねる。
「……良いなぁ。あたしも字入れたいー」
皆入ってるのに自分だけ入ってないって何だか寂しい。
「……次の暴走には入ってる」
「えっ!?入れてくれるの!?」
「あぁ」
「やった!なんて入れるの?」
「近々分かる」
「え、近々って何それ。今教えてよ!」
「近い内な」
「え~」
そっぽを向いてしまった十夜はどうやら本当に教えてくれる気はないらしい。
良いもん。教えてくれない十夜なんか放って先行ってやる!
フンッと顔を逸らし、玄関から飛び出して皆の元へと走り出す。
っていうか。
「皆、そんな所で何してんの?」
先に出て行った筈の煌達が、何故か階段のちょうど前で横一列になって並んでいて。
何でそんな所で立ってるんだろうと首を傾げる。