Ri.Night Ⅱ
24.却下
放課後、いつものように駐車場へと向かった。
あっという間に着いた駐車場。
いつもより距離が短く感じたのは、別れの時が刻一刻と近付いているからだろうか。
覚悟を決めなきゃいけない。
鳳皇と離れることを。
十夜と……離れることを。
「……っ」
忘れたくないよ。
たとえ離れたとしても、この楽しかった数ヵ月を忘れたくない。
忘れたく、ない。
車のドアを開けると、十夜は今日もいつも通り腕を組んで寝ていた。
ふふっ。
いつも通りすぎてなんだか笑える。
今日が特別に感じているのはあたしだけ。
あたしが“離れようとしている”なんて、三人はこれっぽっちも思っていないだろう。
それでいい。いつも通りでいい。
“特別”なんて、いらない。
“離れる”という事を実感してしまうから。