Ri.Night Ⅱ
「りっちゃんおかえりー」
「おかえりー」
笑顔で出迎えてくれたのは、先に帰ってきていた陽と彼方。
「ただいまー!」
ソファーへと腰を下ろし、各自会話を始める。
会話をしながらも頭の中はいつ言おうか、それっばかり考えていて、不安と緊張で今にも押し潰されそうだった。
どうしよう。手の震えが止まらない。
でも、言うしかないんだ。
離れると決めたのは自分なんだから。
ちょうど今皆揃ってるし、言うなら今しかない。
………よし、言おう。
目を閉じて、皆に聞こえないようフゥと小さく深呼吸をする。
そして、意を決して口を開いた。
その時。
「わり、俺だ」
運悪く煌の着信に阻まれてしまった。
仕方なく口を噤んで電話が終わるのを待つ。
「チッ。分かった。ちょっと待て。……十夜」
一言二言話した煌がスマホを十夜に手渡した。
スマホを受け取った十夜はソファーから立ち上がり、寝室へと歩いていく。
そんな十夜を見て思った。
きっとあたしには聞かせたくない内容なんだと。