Ri.Night Ⅱ
「だから、あれは柊公園の呪いなの!」
「え、柊公園の呪い?」
「ぶふっ。柊公園の呪いって……!駄目だ。りっちゃん面白すぎる」
「もう知らない!」
爆笑する二人からフンッと顔を逸らすと、突然、右隣に居た十夜に抱き締められた。
「ちょ……」
何!?
「壱」
落ちてきたその低い声に、ピタリと止まる二人の笑い声。
かと思ったら、二人同時に振り返ってきて、嫌な予感が脳裏を過ぎった。
もしかして……。
直ぐ様振り返れば、見えたのは小さな無数の光。
それがこっちに向かって光っているのが見えて、サーッと血の気が引いていく。
ちょ、十夜達がいるのにまだ追いかけてくるの!?
「スピード、あげるよ」
その言葉を合図に、グラブレールを掴んだ煌と彼方。
え、と思った時には壱さんがアクセルを踏んでいて。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!」
絶叫と共にグングンスピードが上がっていく。
あまりの速さに十夜の服を掴むけど、そんなんじゃ全然安定しない。
なんでクラブレールを掴むんだろうと思ったけど、掴まなきゃこんなの耐えられないし。
十夜が抱き締めてくれなかったら、あたし、そこら辺にぶつかりまくってるよ!