Ri.Night Ⅱ
────…
「オラァー!」
「来いやぁー!!」
敵地に着き、出入口であろう壁からぴょこんと頭を出すあたしと陽きゅん。
……あれ?此処の倉庫、建物の前に広場があるんだ。珍しい。
鳳皇の倉庫と少し風貌の違う此処の倉庫は、建物まで少し距離があって広い。
そのせいか、喧嘩は建物の中ではなくその広場で行われていた。
……っていうか、この光景悲惨すぎない?
目の前に広がる光景に、思わず顔を見合わせたあたしと陽きゅん。
これはもしかして来るの遅すぎた感じ?
明らかに抗争の終盤に差し掛かっているのが見て取れて、ガックリと項垂れる。
屍と化した黒烏メンバーをそのまま放置し、中央に集合する鳳皇メンバー達。
「陽さんや」
「何だね、凛音さん」
「これ、もう終わりじゃありませんかい」
「そうですね。ほぼ終わりみたいですね」
「…………」
「…………」
黙り込む陽きゅんにあたしもつられて黙り込む。
そりゃショックだよね。
陽からしてみたら、喧嘩する気満々だったのに、来たら終わってました、なんて最早気の毒としか言いようがない。
っていうかさ、あたしだって同じようなもんだよ?
黒烏の総長男やる気満々だったのにさ。
その肝心の男が見当たらないんだもん。
アイツ逃げたのかな?
それとももう十夜達にやられちゃった?