Ri.Night Ⅱ
33.二人の想い
────…
「…ん……」
「凛音」
「とお、や……?」
薄っすら目を開けると、目の前には十夜の端整な顔があって。
一瞬夢なのか現実なのか分からなかったけど、頬に触れた指先がヤケにリアルだったから、あぁ、現実だ、とゆっくりと身体を起こした。
「……あれ?リビング?」
「お前、車の中で寝たんだよ」
煙草に火をつけて、紫煙を吐き出す十夜。
「あ。ごめん」
そう言えば途中、眠たくなってきて寝たんだった。
「皆は?」
「処理した後そのまま帰るって連絡入った」
「え、そうなの?じゃああたしも帰んなきゃ。ごめんね、あたしが寝ちゃったから十夜帰れなかったんでしょ?」
またやっちゃったよ。
あたしが寝ちゃって十夜が帰れなくなる事、今まで何度もあったんだよね。
慌てて立ち上がろうとすれば、
「いい。今日は此処に泊まる」
腕を引かれてソファーへと戻される。
「え、泊まるって……」
「お前もだ」
「あたしも!?」
え、また?
「取り敢えず、時間も遅ぇし風呂入ってこい」
「は?え?……うん」
決定事項だと言わんばかりにそう言われ、トボトボとお風呂場へと歩いていく。