Ri.Night Ⅱ


十夜、好き……。


大好き。



この想いを十夜に伝える事は出来ないけど、あたしはずっと十夜の事が好きだから。


例え離れたとしても、十夜のことが好き。



「……何で泣いてんだよ」



直ぐ傍から十夜の切なげな声が聞こえて、今自分が泣いている事に気が付いた。



「十夜、十夜……」



十夜に抱き付きたいけど両手を握られてるからどうにも出来なくて。

どうしようもないもどかしさに涙が止まらない。



「凛音、どうした」


手を離されたかと思うと、両頬が包み込まれて。

そっと、目尻に温かい感触が落ちてくる。



「十夜……」



その感触が両頬、首、額へとゆっくり移動していって、その感触が優しすぎて、また眠気に襲われる。



眠っちゃ駄目。

折角十夜が夢に出てきたんだから眠っちゃ駄目。


そう思っているのに、顔中に落とされる温もりが心地好すぎて瞼が下がっていくのを止められない。




「……凛音」


ギュッと手を握られて、消えかけていた意識がまた舞い戻ってくる。


けれど、目は開けられなくて、その代わりに「十夜」と小さく呟いた。


ギュッと強く握り締められた左手。


ベッドが軋んだと思ったら、







「……凛音、好きだ」







室内に、十夜の甘く切ない声が響いた。

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