Ri.Night Ⅱ
「凛音……」
甘い囁きと共に落ちてくる温かい感触。
それは確かに唇に触れていて。
「凛音……」
唇が離れる度あたしを呼ぶ十夜の甘い声に、堪らず吐息が零れた。
「とお、や……」
時折聞こえる甘い吐息に誘われて、空いた右手が十夜の首に吸い寄せられていく。
指先に絡むのは、十夜のサラサラな髪の毛。
その感触を指先で感じながら、何度も何度も角度を変えて蕩けるような甘いキスを繰り返す。
「十夜……」
離れていく唇に不満を洩らせば、それに応えるようにそっとキスが落ちてきた。
「──凛音、好きだ。俺のモンになれよ」
鼓膜に響いたその言葉にトクンと胸が高鳴って。
じわり、涙が溢れる。
……十夜。
あたしも、
「あたしも好き……」
「……っ、」
好きだよ。
十夜の事が好き。
世界で一番、十夜の事が好き。
──夢の中だったら、
夢の中だったら言ってもいいよね?
だって、もう苦しい。
好きって言えないのも我慢するのも。
苦し過ぎて、もう堪えられない。
だから今だけ。
この幸せな夢の中だけで良いから言わせて。
「十夜……好き」