Ri.Night Ⅱ



「話してねぇ」

「………」

「………」

「………は?」


一瞬十夜が何を言ったのか分からなかった。


今、話してねぇって言ったよな?



「何を?」

「全部」

「は?全部?全部って全部か?ひとっつも話してねぇのかよ!」

「……声でけぇ」



いやいやいや、それ聞いたら声デカくなんだろ!


そっぽを向いて不満を露にしている十夜に突っ込もうかと思ったけど、これ以上機嫌悪くなったら困るから止めておいた。


っていうか。


「お前、何してたんだよ。あっ、もしかしてアイツ寝たままだったのか?」


それなら話せてないのも納得出来る。


アイツ、寝たらなかなか起きねぇからな。寝相悪いくせに。



「一回起きて風呂入った」


一回起きてんのかよ。



「だったら何で話してねぇんだよ」


「……俺が風呂から上がったら寝てた」


「………」


なんかもう、可哀想すぎて言葉が出ねぇ。


っていうか、さすが凛音だな。期待裏切らねぇ。

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