Ri.Night Ⅱ
「ちょっと~二人してコソコソ話ししないでよね!はい、煌。これそっちに置いて」
仲間外れにでもされたと思っているのか、唇を尖らせながらやってきた凛音が両手に持っていた皿を俺に手渡してくる。
……ったく、誰の話してると思ってんだよ。
って。
「ゲホッ、ゲホッゲホッ!」
たまたま視界に映った凛音の首元を見て、吸っていた煙草を思いっきり吸い込んでしまった。
「ちょ、煌!いきなり何!?」
真横で咳き込んだ俺を怪訝な顔で見てきた凛音に「何でもねぇ。ほら、早く作ってこいよ」と言って背中を押す。
凛音が台所に戻るのを見届けると、口角を引き上げて十夜を見た。
「ったく、お前、やることやってんじゃねぇか」
可哀想だと思ってたのにちゃっかりキスマークなんかつけやがって。
ったく、同情して損した。
「アイツ、途中で起きた」
「あ?」
起きた?
って、一回起きて寝たんじゃねぇのかよ。
残り少なくなった煙草を揉み消して、「どういうことだよ」と十夜に問いかける。
「酔って半分寝てた。けど、“言った”らアイツも返事した」
「はぁ?」
酔ったってアイツ酒でも飲んだのか?弱ぇくせに?
「“言った”って事は“好きだ”って伝えたって事だよな?」
「あぁ」
んで、返事したって……。
「アイツに“好き”って言われたのか?」
「……あぁ」
じゃあ何でそんなに機嫌悪ぃんだよ。