Ri.Night Ⅱ
「だったらいいじゃねぇか。何で機嫌悪くなんだよ」
「朝起きたら忘れてた」
「………」
「………」
「……は?」
今、なんて?
「忘れてた?」
忘れてたって、告った事を忘れたって事か?
「忘れた上に夢だと思ってた」
は?夢?
「夢だと思ってさらに忘れたのか?」
「………」
返事もしなければ頷きもしない十夜に肯定だと受け取って、「そりゃねぇわ」と失笑。
やっと十夜の不機嫌な理由が分かった。
両思いだと分かったのに、次の日には綺麗さっぱり忘れられてたって。
それ、シャレになんねぇだろ。
俺でも落ち込むわ。
「出来たよー!はい、これそっち置いてー………ってさっきから何?なんか言いたい事でもある訳?」
皿を置きながら俺を睨みつける凛音に最早溜め息しか出ない。
コイツが馬鹿だって事は分かってたけどよ。
まさかこれほどまでとはな。
「お前、取り敢えず酒は飲むな」
「はぁ?」
酒飲んでなかったらぜってぇ上手くいってた。断言出来る。
「ヤダよ!昨日はたまたまビール飲んだから寝ちゃっただけ!他のだったら酔わないもーん!いいじゃん暴れた訳じゃないんだから!!」
……駄目だこりゃ。話にならねぇ。
馬鹿すぎる凛音に俺はもう何も言えなかった。
-煌 side end-